『くちびるに歌を』 中田 永一・著 / 小学館 1500円+税
拝啓、十五年後の私へ。中学合唱コンクールを目指す彼らの手紙には、誰にも話せない秘密が書かれていた―。読後、かつてない幸福感が訪れる切なくピュアな青春小説。
[BOOKデータベースより]
あれ? と気づきの方も多いかと思いますが、題名や歌手名が出てこなくても、一度はどこかで耳にしたことがあるはずの歌がモチーフとなってます。作者さまについてもお気づきになる方もいらっしゃるかと・・・(今や、公然の秘密となってますね。)
離島の中学生たちが、顧問の先生の入れ替わり(産休代替)をきっかけに、合唱部でNコン(NHK合唱コンクール)に向けて、友人・異性・家族関係、人と人とのつながりに、紆余曲折しながら成長していくさまが、とてもわかりやすい文章で描かれています。 ずいぶん前に中学生だった方も、少し前に中学生だった方にも、現役の皆さんにも、あ~こういうのある(あった)~と、どこかしら共感していただける内容に仕上がっているように思いました。
「くちびるに歌を」
それを忘れなければ、きっとこの先に何があっても前向いて進んでいけるでしょう。
そしてこの作品も、本屋大賞2012ノミネート作品の一つです。 ^^
(M)
本日も本屋大賞2012ノミネート作品のご紹介です。
『ピエタ』 大島 真寿美・著 / ポプラ社 1500円+税
18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児たちを養育するピエタ慈善院で“合奏・合唱の娘たち”を指導していた。ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる―聖と俗、生と死、男と女、真実と虚構、絶望と希望、名声と孤独…あらゆる対比がたくみに溶け合った、“調和の霊感”。今最も注目すべき書き手が、史実を基に豊かに紡ぎだした傑作長編。
[BOOKデータベースより]
題名がわからなくても、小学校の音楽の授業や、給食や掃除時間に流れる音楽として、また店内BGMなどで普段から耳にする機会が多いため、聴けば誰もが知っているクラシック音楽・ヴィヴァルディの『四季』
この偉大な作曲家が司祭であったり、孤児院で組織されている合奏・合唱隊で指導されていたことは、案外覚えていない方も多いかもしれません。
この話は、ヴィヴァルディの愛弟子たちが、恩師の訃報をきっかけに繰り広げていく人間模様が描かれています。お話に激しい起伏があるわけではないですが、旋律すら聴こえてくるように静かに心の奥深くに沁み渡っていきます。読後感は素敵な音楽を堪能した時の充実感と同じかもしれません。
読んでみて、こんなにも「美しいな」と感じた本に、私はもしかしたら初めて出会ったように思います。もっと早く(発売当初)に読んでおけばよかったなと、心から思った作品です。
ちょうど当店付近にも縁のある作者さまなので、大島氏の作品は数多く取り揃えております。
(M)
伊坂幸太郎最新エッセイ集
『仙台ぐらし』が、
2月18日発売予定です。
発行は、仙台の出版社・
荒蝦夷。
発行・出版・書籍 荒蝦夷【あらえみし】araemishi東日本大震災で被災した後も精力的に出版活動を続け、第8回
出版梓会新聞社学芸文化賞を受賞した出版社です。
河北新報ニュース 被災地から発信貫く/出版社「荒蝦夷」代表・土方正志さん=仙台市青葉区梓会新聞社学芸文化賞に仙台の「荒蝦夷」 - MSN産経ニュース仙台の出版社「荒蝦夷」 災禍の記憶、道産子が記録 1000人に聞き書きも (2011/10/10)-北海道新聞[3・11を越えて] 仙台在住作家である伊坂幸太郎の、震災後最初の新刊単行本となります。
地域誌『仙台学』の1号から10号まで(2005~2010年)の連載エッセイ「仙台ぐらし」(全面改稿)と、単発エッセイ1編に、震災後のエッセイ「いずれまた」「震災のあと」「震災のこと」、そして宮城県沿岸を舞台に移動図書館(ブックモビール)のボランティアを主人公とした書き下ろし短編「ブックモビール a bookmobile」を収録。
通常、取扱書店が限られている荒蝦夷の本ですが、この度、『仙台ぐらし』を当店でも取り扱うことにいたしました。
四六判並製・224頁、1300円+税。ご予約受付中です。
<本屋大賞2012 ノミネート作品の紹介・4作目>
『舟を編む』三浦しをん・著 / 光文社 1500円+税
玄武書房に勤める馬締光也。営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく―。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか―。
[BOOKデータベースより]
大体、小学生あたりからお世話になる辞書。わからない言葉・文字を調べるだけでなく、面白系・下ネタ系をわざとひいてみたり、放映中の子供向けテレビ番組で「辞書めっこ」などと言う遊びをしていたり、意外と親しんでいるものじゃないでしょうか。
日本語はいったい全部でいくつあるんでしょうね。日々移り変わる膨大な数の言葉を、一つ一つ意味を照らし合わせて作る作業工程などが真摯に書いてあるかと思えば、コメディテイストで思わず噴出しそうになったり、まじめになりがちなテーマをとても読みやすく、けれどもきちんと伝えているあたりが三浦氏らしさの一つかと思います。
装丁もとても素敵です。読み終えると装丁にちなんだあることに気づいて、それがまた感慨深さを感じさせてくれると思います。挿絵は、先日ご紹介させていただいた
『昭和元禄落語心中』の著者・雲田はるこ氏が描いていらっしゃいます。
昨年は、ちょうど『新明解国語辞典』6年ぶりに改訂(第7版)・発売されました。
合わせて読んでみるのもいかがでしょう。
(M)
本日は本屋大賞2012 ノミネート作品の紹介です。
『ジェノサイド』高野 和明・著 / 角川書店 1800円+税
急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の依頼を引き受けた。暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」ということだけだった。イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが…。
[BOOKデータベースより]
日経おとなのOFF 2011年上半期ミステリベスト1
本の雑誌 2011年上半期ベスト1
週刊文春 週刊文春ミステリーベスト10(国内部門)
このミステリーがすごい!2012年版・国内編(宝島社) 第1位
以上4つの第1位を獲得しているこちらの作品は、もうお読みになった方も多いかと思います。
まったく接点のないと思われる主要登場人物たちを中心に、世界の3地点から始まるとてもスケールの大きい物語です。ミステリー系の本は得意でない私ですが、高野氏の作品のひとつ『幽霊人名救助隊』を拝読して以来、その面白さが少しだけわかった気がしてます。こちらの作品も「うわぁ、最後まで読みきれるかしら」と読み始めたとたんにくじけそうになりましたが、物語を追っていくうちにどんどん惹きこまれ、まるでハリウッド映画でも見たような気分を味わいながら読み終えることができましたよ。
何事も食わず(読まず)嫌いはいけないな、と改めて思った作品です。^^
(M)
大寒を過ぎ、一段を寒さが増しましたね。2月の節分を過ぎると立春。春はどんどん近づいてきます。夏より冬のほうが好きな私でも、少し春を待ち遠しく感じてます。
節分って、立春の前日にあたるんですよ。「季節を分ける」という意味で、季節の変わり目には邪気が生じるれと考えられていて、それを追い払うための悪霊払いが、豆まきへと変わってきたのです。
「鬼は外、福は内」
集合住宅も多いこのごろでは、なかなかご家庭で豆まきをするのも大変でしょうが、子供は案外楽しみにしているので、コッソリやってみるのもいいですよね。(季節行事を教える機械だから、思いきってやってもかまいませんね、ほどほどで ^^)
今年、選んでみた節分にちなんだ絵本は、こちらの2作です。
『おにはそと』 (せな けいこ 作・絵 / 金の星社 1200円+税)
豆まきのユニークな絵本!
豆まきで鬼たちは逃げだしますが、残された可愛いちび鬼は人間の子どもたちと仲良く遊びます。鬼の親分がちび鬼を連れ戻しに、よろいを着て来ますが、豆まきに降参。親分はちび鬼のお父さんでした。心が和む楽しい絵本。
[出版社からの紹介内容]
『おにはうち!』(中川ひろたか 作・村上康成 絵 / 童心社 1300円+税)
見慣れない子ども、にお君はみんなと野球をして遊びます。ところが、豆まきの時間になると、どこかへ行ってしまいました…。その様子を見ていた校長先生は、にお君が誰なのか気が付きます。さて校長先生がとった行動は・・・
どちらかというと鬼は悪いモノ、と考えられていますが、付き合ってみると案外イイヤツかもしれません。上手に付き合うことも大事かもしれませんね。
(M)
今年で9回目を迎えようとしている『本屋大賞』
売り場からベストセラーを作る!と、商品の本と、顧客である読者を最も知る立場にいる書店員が、売れる本を作っていく、出版業界に新しい流れをつくる、しいては出版業界を現場から盛り上げていけないかと考え、同賞は発案されました。
毎年、前々年12月1日から前年11月末日までに(今回の場合ですと、2010年12月1日~2011年11月30日)の間に発売された(奥付に準拠)日本の小説(判型問わずオリジナルの小説)を、新刊を取り扱っている書店で働く人(社員さんからパートタイマー、アルバイトも含む)が、自ら読んで自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票します。
そして1月5日に一次投票の締切があり、本日ノミネートされた作品が発表されました!(一次投票までは、そりゃあもう がんばって読みましたよ。)
2月末の2次投票を経て、今年も4月の初めに大賞が発表される予定です。
折に触れてノミネートされた10作品をご紹介していきたいと思ってますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
と、申しましても、実は10作品の内の2作品は、既にブログで紹介済みなんです。
なので、本日はその記事のリンクを貼らせていただきます。(えへへ)
『ビブリア古書堂の事件手帖』~栞子さんと奇妙な客人たち~(三上 延 著 メディアワークス文庫/アスキー・メディアワークス 590円+税)
『誰かが足りない』宮下 奈都 著 双葉社 1200円+税
上記2作品は、タイトル部分をクリックしていただくと紹介記事に飛びます。よろしければご覧ください。
そのほかのノミネート作品は、
『偉大なる、しゅららぼん』 万城目学・著(集英社)
『くちびるに歌を』 中田永一・著(小学館)
『ジェノサイド』 高野和明・著(角川書店)
『人質の朗読会』 小川洋子・著(中央公論新社)
『ピエタ』 大島真寿美・著(ポプラ社)
『舟を編む』 三浦しをん・著(光文社)
『プリズム』 百田尚樹・著(幻冬舎)
『ユリゴコロ』 沼田まほかる・著(双葉社)
以上です。どれが選ばれてもおかしくない、ステキな作品の数々です!
(M)
『りぼん』『なかよし』『ちゃお』『Sho-comi』『マーガレット』『花とゆめ』・・・
少年マンガ誌も多数ありますが、少女マンガ誌もたくさんありますね。
「マンガばっかり読んでないで勉強しなさい!」と言われていたころが懐かしい(笑)
そんな数ある少女マンガコミックの中でも、昨夏から気になっている作者の作品がコチラです。
『はじまりのにいな』 水森 暦(みなもり こよみ)・著 / 白泉社 花とゆめコミックス 400円+税
『初めて会うはずなのに、私は確かにその人を知っていた。ずっと前から、生まれる前から。青八木新菜、10歳。前世から、あなたのことが好きでした』桜咲く春──。新菜はボールを拾いに入った隣家の庭で、前世の恋人・篤朗(25歳)に再会する!! 切ない年の差転生ロマンス☆ 2011年7月刊。
[出版社HP作品紹介より]
数ある転生モノの中でも、ロマンチックなばかりではなく、現実とちゃんと向かい合ってる主人公の少女・にいなちゃんが、とても健気でカワイイです。私が購入した時点では、本に巻数は付いていないのですが続刊も決まっているようです。
もう少し、この作者さまの作品を読んでみたいなあと思っていたところに、昨日(1月20日)発売されたのが、数年前からの読み切り作品が集められたコチラ。
『彼女の涙が雪だとしたら -水森 暦短編集- 』 水森 暦・著 / 白泉社 花とゆめコミックス 400円+税
『おれ 明日お前に告白するわ』透吾(とおご)が幼なじみにした告白予告。しかし透吾は事故で昏睡状態に…目覚めたときには4年が経っていて!? 泣けるストーリー4編収録! 2012年1月刊。
[出版社HP作品紹介より]
表題作の他に、「舞われ風車」「夏が咲くころ」「境界線」の計4作が収録されています。決してハッピーエンドの話ばかりじゃないですが、10代の等身大の喜怒哀楽が詰め込まれていて、切ない中にもほのぼのと心があったかくなる作品ばかりです。
主人公たちを同世代の皆さまにも、大人になった「女の子」たちにも、読んでいただきたい作品です。
(M)
『赤ちゃんと僕』『いつでもお天気気分』や『ニューヨーク・ニューヨーク』などの著者・羅川真里茂さんが現在「月刊少年マガジン」で連載中の作品がコチラ。
『ましろのおと』 既刊5巻
羅川 真里茂・著 / 講談社 月刊少年マガジンコミックス 各440円+税
故郷・青森から津軽三味線を背負い、単身上京してきた澤村雪(さわむらせつ)。
自らの師でもあった三味線奏者の祖父が亡くなったことで、自分が弾くべき音を見失ってしまう。そんな雪が、全く知らない地・東京で成長してゆく津軽三味線×青春ストーリーなのです。
[講談社コミックプラス・作品紹介より]





一見、のんびり・マイペースだけど、三味線については相当頑固で職人気質な男子高校生・雪も一癖ありますが、脇を固めるキャラクターもまた、とても濃い人たちが多数出てきます。その一人一人の個性もクドさを感じさせず、次は何が起こるのかとワクワクしながら読めて、もちろん、もうひとつの主役「津軽三味線」の演奏シーンは、紙面から三味線の音がお腹の底に響いてくるかのように感じます。
単行本も5巻目になり、話はちょっとした佳境に入ってまいりました。一気にお読みいただくにも、今が最適なのではないかと思います。
昨日発売されました5巻には<CD付き特装版>(1848円+税)もございます。
(M)

『図書館の主』 既刊2巻
篠原ウミハル・著 / 芳文社 芳文社コミックス 590円+税
「タチアオイ児童図書館」の名物司書・御子柴は、「キノコさん」の愛称で慕われているがぶっきらぼうな地味眼鏡。しかし、仕事は一流だ。一見乱暴なその物言いの裏に隠れた彼の優しさは、今日も児童書とともに人々に伝えられる。そして人々が救いの一冊を求め、彼のもとへ…。 図書館を舞台に「児童書のソムリエ」御子柴が活躍する癒やしの物語。
[芳文社HP作品紹介より抜粋]
先日掲載した『俺マン2011』に、私はこちらの作品にも1票を投じました。^^
ココで紹介するにあたり、いろいろ言葉を考えてみたのですが、ちょうど1巻2巻それぞれ付いている「帯」の言葉、
<大人が児童書を読むのは気恥ずかしいけどなぜか心地良い・・・>
<大人のあなたに知ってほしい。児童書を読む楽しさを・・・・・・・> この2文が、読者としても児童書担当としてもすべてを物語っているかもしれないと思いました。児童書は、本当に奥が深いものです。
本屋がそんなに図書館を推奨しちゃっていいの? との疑問もあるかと思いますが、その疑問すら払拭できる内容です。図書館と本屋の理想の形もソコには描かれていて、読んでいてなんだかとてもうれしくなりましたよ。
私自身、図書館へ出かける機会も多いのですが、もしもこんな司書さんがいらっしゃる私設図書館が近くにあったら、毎日のように行ってしまいそうです。^^
(M)