『重版出来!』 1巻
松田奈緒子・著 / 小学館 ビッグコミックスピリッツ 552円+税
マンガに関わる人々の超骨太人間ドラマ!
「マンガ」は、漫画家だけのものじゃない。
編集者、営業、宣伝、製版、印刷、デザイナー、取次、書店員…。
数えきれないマンガの裏方たちのリレーで、読者の手に届くもの。
そう、裏方の熱き想いがあるからこそ「マンガは売れる」んです!
マンガに関わる一人ひとりの人間ドラマをぐいっと描く本作、全ての仕事人へのエール漫画です!!!
[出版社HP作品紹介より]
立て続けですが、「本」を題材にした作品を紹介させていただきます。
ところで
「重版出来」というのは、本に関わる業界用語ですが、どう読むかご存知ですか?
「重版」は「じゅうはん」
初めて発売される本は、「初版」「第1版」とも呼ばれます。その後売れ行きもよく、在庫がなくなりそうで、しかもまだ売れるだろうと思われる本は、改めて印刷・製本されるのですが、その2回目以降に本を作ることを重版(もしくは再版)を言うのです。
本のたいだい一番後ろページに、作者名・出版社名が明記されているページ(「奥付(おくつけ)」といいます。)があるのですが、そこに<初版 第1刷発行>などと書いてあるので、もしよかったらご確認ください。
「出来」は”でき”ではなくて「しゅったい」と読みます。(もともとは「しゅつらい」と読むようですが、変じてた模様。) 意味としては「物事が完成する。出来上がること」で、「重版」とつなげ、「じゅうはんしゅったい」。
重版された本ができあがり、販売(出版)されることを示します。
ついつい「じゅうはんでき」って読んじゃうんですけどね・・・。(汗)
この本のおかげもあって、もう間違えません!(笑)
毎年、数え切れないほど多くの本が出版されます。その中でも重版され、読み継がれていく本は、ほんの一握りです。作者さまはもとより、編集・装丁(デザイン)・印刷・営業・販売。どの本も関わるすべての人たちは、その作品が少しでも多くの人の手にとってご覧いただけるよう、尽力します。
この作品は、変り種の新人編集者・心ちゃんを通して、作品(コミック)を売り出していく様子を描いています。 心ちゃんの姿勢は見習いたいものです。
自分も本屋なので、同業の話として思い入れも強くなりがちとは思いますが、セリフの一つ一つ、登場人物の気持ち・想いは、今の社会のどの職業にも、生き方にも置きかえられ、どなたもが力をもらえる作品ではないかと思います。
出版社の編集担当の方にお願いして、作品のPOPをいただいたところ、これがなんと「塗り絵」になっていて、各店担当者さんのセンスで作品が出来上がっています。何件かのお店の作品をツィッターで拝見したのですが、それぞれとても個性的で素敵でした。

当店のはちょっとパステル調です。 タンポポを描いた意味は本編を読むとおわかりいただけるかと思います。
現在は、昨日ご紹介した『夜明けの図書館」』とともに、新刊コーナーにございます。
『夜明けの図書館』紹介記事は →
コチラ『重版出来!』を心から応援する方たちがツィッターで集まり、物語について話し合った三省堂書店新横浜店店長主催『重版出来!』ツィッター座談会の様子をまとめたリンクが →
コチラです。(ちょっと、いえ、かなり重いのでご注意ください。できれば本書読後にご覧いただけたらと思います。)
(M)

『夜明けの図書館』埜納 タオ・著 / 双葉社 ジュールコミックス 各619円+税
市立図書館で働く新米司書・ひなこ。日々、利用者からはいろんな質問が…。「ある写真を探している」「光る影の正体が知りたい」など、難問ばかり。こうした疑問に対し、適切な資料を紹介するのも図書館の仕事。ひなこ、迷宮入りしそうな利用者の「?」に立ち向かいます! 史上初!? 新感覚・ライブラリーコミック!
[出版社HP作品紹介(第1巻)より]
行ったことが無いとおっしゃる方のほうが少ないかと思いますが、子どものころなど通いませんでしたか? 図書館に。 探している本が見つからない時に、司書さんに探していただくことは「レファランス(リファレンスとも)サービス」と言います。
こちらの作品では、新米司書であるひなこが、利用者さんからの様々な問い合わせを、同僚の皆に助けられながら、探し当てご要望に沿った資料(本)をお渡しできるよう、日々研鑽している姿を描いています。
本屋にも通じるのですが、お客(利用者)様からのお問い合わせいただいた本を探し出せたとき、手渡すことができた時、とても嬉しいのです。(その逆もまた然り)
何事もそうなのですが、一期一会との言葉もあるように出会える機会を逃してしまうと、もしかしたら一生で会うことなく終わってしまうかもしれません。少しでもそうならないよう、「調べもの」から拡がる「本」と「人」との縁(えにし)を紡いでいきたいものです。
このごろ、ゆっくり図書館で本を探すことがなくなっているので(だいたい短時間で返して借りてしまいます。)、今度はゆっくり書架の間に浸ってみようかな、と思わせてくれた作品です。
(M)

『東京心中』 上・下巻
トウテムポール・著 / 茜新社 TENMAコミックスEDGE 各648円+税
TV業界に入りたての新米AD、宮坂絢(みやさか けん)は厳しい先輩ディレクター、矢野聖司(やの せいじ)の下で働くことになる。
現場は厳しく、悪態と暴言は当たり前、こき使われた挙げ句に辞めることを考えるが、ある日、映画の話をする矢野が見せた笑顔にふと魅せられて…。
新人AD(年下ワンコ攻) × 先輩上司(美人オッサン受) の3歩進んで2歩下がる、テレビ業界ワーキング・ラブ、始まりの巻!
大人気WEBコミック単行本化、ついにシリーズ連続刊行開始!!
[出版社HP作品紹介(1巻)より]
新しく作ったカテゴリで、真っ先にご紹介したいと思ったのがこちらの作品です。
現在、3巻まで出ていて、もちろんBLモノなのですが巻数を重ねるごとに「お仕事」色が強くなるため、「どうしてもこのジャンルは苦手なんです!」とおっしゃる方以外でしたら、業界コミックスとして男性の方にも楽しんでいただけるのではないかと思います。
作品紹介では上司・矢野さんのことが「美人オッサン受」となってますが、決してオッサンぽくない「この人となら間違いを犯してしまってもいいかもな・・・」と思わず考えてしまうほど、キレイで男らしい(というか個性的な)映画を愛する「お兄さん」です。

『愛してるって言わなきゃ殺す (東京心中・2)』『君も人生を棒に振ってみないか? (東京心中・3)』 (各648円+税)
カバー絵の仕上がりも面白いものになっているかと思います。
(M)
寒暖の差が激しく、日中は夏のような暑さも感じますね。 皆様も体調を崩されませんように。
少し「カテゴリ」を増やしました。
「BL(ボーイズラブ)」「百合」です。
(写真上段は、少し前の新刊棚のBLコーナーです。)

好みがはっきりと分かれるジャンルかと、今まで熟慮いたしておりましたが、どなたでもご覧いただけるのではないだろうかと思われる作品から、徐々にお勧めしていこうと考えておりますので、ご笑覧いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
さ~て、何から紹介していこうかな~♪
(M)
『さよならソルシエ』 既刊1巻
穂積・著 / 小学館 フラワーコミックスαフラワーズ 429円+税
19世紀末、パリ。のちの天才画家ゴッホを兄に持つ、天才画商テオドルスの、知られざる奇跡の軌跡。生前、1枚しか売れなかったゴッホが、なぜ現代では炎の画家として世界的に有名になったのか…。その陰には実の弟・テオの奇抜な策略と野望があった! 兄弟の絆、確執、そして宿命の伝記!
[出版社HP作品紹介より]
昨年9月に、著者の前コミック『式の前日』をご紹介させていただいた際に、<現在(2012.9月)「月刊flowers」にて最新作『さよならソルシエ』を連載中・・・>と記載していたのですが、その作品がついにコミックス化されました! 画家・ゴッホは教科書にも載ってますから、その名とヒマワリの絵や自画像を、なんとなく思い出しませんか? 作品紹介にも明記されていますが、生前には絵がほとんど売れなかった天才画家ゴッホが、なぜいま有名なのかは、彼を支え続けた画商でもある弟・テオが握っていました。兄ほどは知られていない弟視点から描かれる二人の軌跡は、末路までどのように描かれていくのか。
『式の前日』を読んだ時の衝撃以上に、心を揺さぶられ、鳥肌が立つほどの戦慄感を覚えました。作者さまの腕前は見事にパワーアップされています。今後の物語の繰り広げられかたに、大きく期待をしてしまう作品です。
『式の前日』紹介記事は →
コチラ (M)
『68m 手原和憲高校サッカー短編集』手原 和憲・著 / 小学館 ビックコミックスピリッツ 619円+税
珠玉の高校サッカーオムニバス、待望の刊行!
「ビッグコミックスピリッツ」誌上にて不定期掲載され、
その度に人気を博してきた読み切り短編を
余すところなく収録、1冊にまとめました。
ケガを引きずりながら最後の選手権に懸ける点取り屋を
チームメイトとの友情を絡めて描いた【ピンチキッカー】。
レギュラーの座を奪うことしか頭にない俺様控えGKが暴れ回る
痛快なストーリー【ベンチウォーマー】。
先輩からのコンバート命令に納得できない下級生が
迷い、そして答えを見つけ出してゆく【ウノ・ゼロ】。
一時代を築いた老監督の、哀しくも重みのある退き際を
教え子であるコーチの目線から描く【老牛】。
ユースを蹴って高校サッカーに転身した天才DFの末路に
落涙必至の表題作【68m】。
弱小校から強豪まで、高校のサッカー部を舞台にした
5つのストーリーは、いずれも温かく、そして優しい感動を呼ぶものばかり。
本人もプレイヤー経験のある著者による超意欲作、ぜひお手元に!!
[出版社HP作品紹介より]
本の内容紹介は、出版社さまの作品紹介がそのものズバリなのでこれ以上言うことはないのですが、ちょっとだけ自分の言葉も(笑) 私は特にサッカー好きではありませんが、こちらの作品は保存本に決定です。サッカーだけに通じるばかりの話でも、華やかさばかりの話でもないけれども、部活ってさ、いろいろあったけど、やっぱりいいものだなあ…と久々にズシンと心に沁み入ってきた作品です。
(M)
『純喫茶ねこ』1巻 以下続刊予定
杉崎ゆきる・著 / 幻冬舎コミックス(バーズコミックス) 幻冬舎 619円+税
大学受験に失敗したショックから、飼い猫のお嬢と北海道へ逃避行してきた錦織紺。勢いだけで飛び出してきた紺は、函館山で財布もお腹も空っぽのまま途方に暮れていた。そこで、刀川絢鐘と名乗る青年に声をかけられる。絢鐘は美しい毛並みのお嬢を見ると、紺の力が必要だと言い、強引に紺とお嬢を車に押し込んだ。そうして連れ出された紺は、一軒の小さな喫茶店「純喫茶ねこ」でバイトをするように絢鐘に決めつけられるのだが...!? [出版社HP作品紹介より]
疲れている時に、人それぞれとは思いますが、例えば「モフモフ」したモノや、薫り高いモノに癒しを感じることなどありませんか?
コチラの作品は、まさに「モフモフ」「珈琲」系。少しネタをバラしますと、カワイイ猫ちゃんが数匹出てくる喫茶店でお話が繰り広げられています。(擬人化もされます) 話はまだ謎も多く、核心はこれから・・・なのですが、とにかくホッと一息つける一冊にもなりそうです。
試し読みは →
コチラ (M)
『白い馬』(東山魁夷・絵 / 松本 猛 文・構成 / 東山すみ・監修 講談社)
1905円+税
「白い馬」シリーズ誕生40周年
東山魁夷の名画と、遺した言葉から織りなされる物語(ファンタジー)
主人公の少年は、池のほとりであったふしぎな白い馬に導かれるままに、アルプスをこえ、オーストリアの美しい街を旅します。そして、ザルツブルクにたどりついたとき、白い馬は、「わたしはこの街で生まれた」と告げます。主人公を芸術の道に導く白い馬とは……。名画を読む絵本。
「白い馬」が初めて登場した作品「緑響く」から40年。
東山魁夷研究の第一人者・松本猛が描く、その「詩と真実」とは――。
巻末には解説と実作品も掲載。
[出版社HP作品紹介より]
学校の図工や美術の教科書にも載っている昭和を代表する日本画家・東山魁夷氏ですから、絵に見覚えがある方も多いはずと思います。
「白い馬」シリーズで構成された、薀蓄(うんちく)の必要もなく、1ページ毎にただただ見入って、飾っておきたくなるような、贅沢で素敵、とても穏やかで豊かな気持ちが沁みいってくる絵本です。
(M)
『のぼさんとカノジョ?』 1巻 562円+税
(モリコロス・著 / ノース・スターズ・ピクチャーズ 徳間書店 ゼノンコミックス)
主人公の野保康久、通称のぼさんは仏教系大学の2年生。のんびりしたマイペースな性格で女子から人気だが、どうやらカノジョと同棲しているという。しかし、そのカノジョとは、実は・・・だった!! これはのぼとカノジョが、ケンカしたり、仲直りしたり、嫉妬したり、感謝したり、まったりしたり、ドキドキしたりする、日常的非日常な日常のお話です。まだ誰も見たことのないカノジョと出会える第1巻、ついに発売です! [出版社HP作品紹介より]
[作品紹介文の一部を省略させていただいております]
そして裏表紙からの引用なのですが・・・
<カノジョの特徴>
・料理が上手
・掃除も得意。
・世話焼き。
・可愛い小物が好き。
・ベタな映画が好き。
・人見知りが激しい。
・根は優しい。
・嫉妬心は強め。
なかなか女の子らしい感じですね。まだ少し続きます。
・会話は筆談・・・?
え、事情があって、しゃべれないのかな?
・多分 女の子・・・!?
えっ!? どういうこと???
まあ、それは、読んでいただければ分かることなのです。ひとつだけ、主人公の「のぼさん」は、驚くべき素晴らしいほどの【お人好し】です。 「カノジョ」とのやりとりが、ふんわりほのぼの、とてもいい感じですので、なんの「違和感」もなく、面白く読めます。 一風変わったラブ・コメディ(だと思う・・・)、是非ぜひご一読くださいませ♪
(M)

かこ さとし(加古 里子)さんの『からすのパンやさん』は、ご覧になったことがあるという方がたくさんいらっしゃると思います。大変ながらも楽しく子育てする「とうさんからす」と「かあさんからす」。 二人(いえ、二羽? 笑)が作り出すいろんな形のおいしそうなパンの絵は、本当に「あ~っ! 食べてみたいっ!!」とも思わせてくれる、素敵な作品です。
そんな からすのパンやさん一家が、40年ぶりに戻ってまいりました。
元気でやんちゃでおしゃまだったこどもたちは、立派な成鳥になり、とうさん、かあさんを手助けしながら・・・。
実は読んでいて最後はちょっぴりウルウルしてしまいました。
今月(4月)発売はまず2冊、

『からすのおかしやさん』 『からすのやおやさん』かこ さとし 作・絵 / 偕成社 各1100円+税
来月(5月)にも、2冊発売予定です。
(
『からすのてんぷらやさん』 『からすのそばやさん』)
四人(羽)のこどもたちががそれぞれ始めるお店の毎日は、いったいどんなことが起こるのでしょうか。
そしてそして、秋には『どろぼうがっこう』の続編も出るみたいですよ♪ とても懐かしくて、とても待ち遠しいです!
(M)