七五ブログ

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はじめまして

名古屋市瑞穂区に在る本屋・七五書店の『七五ブログ』です。

もともと日々の新刊情報などを掲載するために立ち上げたブログですが、現在は情報発信をTwitterやFacebookに移行し、こちらでは時間のある時にフェア情報、そして私・Mのおすすめ作品の紹介などをさせていただいてます。 (Twitter、Facebookは<リンク/お知らせ>からお入りくださいませ。)

基本的にネタバレしないようご紹介をさせていただいております。

主に「小説・ノンフィクション」「コミック」「児童書」に分類しております。
ブログ右手(PC版では)のカテゴリ欄もどうぞご活用くださいませ。

場合によっては既にフェアが終了していたり、店頭在庫がないこともございます。
ご了承くださいませ。
(2016年7月)

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# by 75bs | 2017-12-31 23:59 | はじめまして | Trackback | Comments(0)

『 i 』

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『 i 』
西 加奈子・著 / ポプラ社 1500円+税
「想うこと」で生まれる圧倒的な強さと優しさ――
西加奈子が全身全霊で現代(いま)に挑む、心揺さぶられる傑作長編!
[出版社Website作品紹介より]

西さんの最新作が出るということで本好き友人にタイトルを 「 i (アイ)」だよ、と教えたところ
「え? それってもしかして虚数?」と間髪入れずに問われました。

え? えへへへへ・・・そうだねぇ、虚数も「 i 」だね~。

あい アイ 愛 合い 会い 藍 相 逢 遭い 遇い 哀 曖 I i ・・・
「あい」と入力してみると、さまざまな「あい」が出てきます。

西さんが、私たちに伝えようとしている「 i 」とは、いったいなんでしょう。
主人公の名前?
虚数?
愛情?
哀しい出来事に遭遇する?
色の名?
人と関わること?

西さんが伝えようとしてくださってることは、きっと誰もが無意識のうちにも抱えていることで、大人であれ幼子であれ、日常の中でふと思いついたり、頭の中にいつもあったり、考え込んだり、泣けてきたり、笑みがこぼれたり、もしかしたら心の中でくすぶりつつも追い求めていることなのかもしれません。

自分の内のどこでどういうふうにくすぶっているのかが、一つ一つ丁寧に描かれている中、ゆっくりと紐解かれ、最後にブワッと・・・・・ブワっ・・・・・ブ・・・うぅ・・・ぽ、ポロポロと・・・まるで目から鱗が落ちるかのように心が揺さぶられ、解き明かされます。

自我の芽生えを感じている方なら、どなたの心にも響く内容かと思います。決まったばかりの本年度流行語大賞を使わせていただきますが、まさに「神って」ます。

自分とは、人と人との繋がりとは、世の中とは・・・生きにくさも感じることが多いこの時代に、「 i 」とはいったい何か、一石を投じてくださった素敵な作品です。

(M)

特設サイトは → コチラ
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# by 75bs | 2016-12-02 08:18 | 【おすすめ/小説等】 | Trackback | Comments(0)
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『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』
大崎善生・著 KADOKAWA  1600円+税
小説家、ノンフィクション作家の顔を持つ著者でなければ書けなかった真実

「闇サイト」で集まった凶漢三人の犯行により命を落とした一人の女性がいた。彼女はなぜ殺されなくてはならなかったのか。そして何を残したのか。被害女性の生涯に寄り添いながら、事件に迫る長編ノンフィクション。
[出版社WEbsite 作品紹介より]


【2960】

みなさん、この数字、なんだと思いますか?
私、家では子どもが帰宅するまで、本人や回りから見たら、そんなに心配しなくても大丈夫だって、そんな過保護な・・・ときっと思われるくらい心配しています。
2007年8月、まだ幼かった子どものことをそれまでも心配はしていたけれど、それ以上に輪をかけて神経質になったのはこの事件が起きたからかもしれません。

「名古屋闇サイト殺人事件」

闇サイトで集まった凶漢が、帰宅途中の女性を拉致し、命を奪いました。悪辣で人とは思えない所業で。

これは、出版社の作品紹介にもありますが、現在映画公開中の『聖の青春』などを書かれた大崎善生さんが、被害者女性の母親、親族、最愛の人から伝え聞いた女性の生涯を通して事件に迫るノンフィクション作品です。

最近、「文庫X」などノンフィクション作品に触れる機会が多いのですが、この作品は事件が地元・名古屋で起こったと言うだけではなく、被害者が幼いころから住み育ったところ、通った学校、そして拉致現場や遺体を遺棄された場所が、わたしにとってほぼ全てが縁のあるところだったため、他のノンフィク作品以上に心の底から揺さぶられ、震えが止まらなくなりました。

読んでいて、現場を想像する、のではなく現場がはっきりと目に浮かぶのです。

幼い頃の被害者の方と、道で擦れ違っていたかもしれない・・・。

こんな事件が二度とあってはならないことはもとより、日本での裁判の在り方などについても鋭く言及されています。

人間は残念ながら時間が経つと、深くかかわり合いのあるものでも、忘れていってしまうことのある生き物です。

子どもの帰宅を心配する、その大きな原因であったはずなのに、この事件も9年が過ぎ、頭のほんの片隅に追いやられていました。が、この本のおかげで記憶もよみがえり、やはり忘れてはならない、そして二度とこんな事件が起こらないよう、警鐘していくためにも沢山の人の手に届けたい、そう強く感じた作品です。

読み終わったとき、ご遺族であるお母さまとご婚約をされていた方の近況も垣間見せていただくことができて、前を向いて歩き始めていらっしゃるご様子に少し安堵するとともに、きっと言い表せないほど悩みぬいて本にしてくださったであろうお二方や著者さまの勇気に畏敬の念を抱き、そして月日は流れていくものだということも痛感しました。

(M)
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# by 75bs | 2016-11-30 18:41 | 【おすすめ/小説等】 | Trackback | Comments(0)

『憧れの女の子』

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『憧れの女の子』
朝比奈あすか・著 / 双葉社 双葉文庫 583円+税
「次は女の子を産むわ」。そう宣言して産み分けに躍起になる妻。そんな妻の決断にうっすらとした違和感を抱く夫。互いに心揺れる日々を経て、その果てに夫婦が得たものとは――(表題作)。男女の日常に生じたさざ波から見える、人間の愛おしさやつよさ。「心にしみる人間賛歌!」と王様のブランチでも絶賛された傑作短編集。
[出版社Website作品紹介より]

「Mさん、朝比奈あすかさんの本って読んだことありますか?」
東京・S谷にある本屋のYさんからお勧めいただいたのがこちらの作家さんです。

男性目線の考えかたや行動と女性目線のそれらは、比べてみると「うっわ~、本当に違うなぁ」と感じることがあります。この本に掲載されている五編のお話は「夫婦」「親子」「家族」など、それぞれの視点からさまざまな想いが描かれていて、平凡で淡々としていると思われがちな日常のなかにもドラマがあることを思い起こさずにはいられないほどとてもリアルなので、いろんな意味で心をグっと捕まれます。

一見すると一人のヒトとしてはとても矛盾してるような内面は、実にリアルな「人の感情」で、それを巧みに表していく朝比奈さんの筆致は堪らないもので、クセになります。私は書き手の思う壺にズブズブとハマり、やられっぱなしでした。

あと、読みはじめからは思いもつかない着地点へと向かう構成のしかたに、どのお話もドキドキしながら読み進み、きっと自分では思いもつかない結末なんだろうなとわかっていても、最後には「へっ!? そか、そうくるか・・・。」「やられた!一本取られた!」と感嘆させられてしまう、それが朝比奈作品のすごいところだと思います。

 (M)
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# by 75bs | 2016-10-28 12:10 | 【おすすめ/小説等】 | Trackback | Comments(0)
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『ゼイチョー! ~納税課第三収納係~』2巻既刊 以下続刊予定
慎結・著 / 講談社 KCデラックス BELOVE 各580円+税
幸野市役所納税課に勤める百目鬼華子は、クールな見かけとは裏腹に、お客の前で机にペンを突き刺すなど、予測不能な行動も多いマイペースな新人職員。脱力系チャラ男公務員・饗庭蒼一郎とペアを組みワケあり滞納者と毎日本音で向かいあう!
[出版社Website 作品紹介より]

所得税、法人税、相続税、贈与税、消費税、たばこ税、酒税、自動車重量税に自動車税、固定資産税や市・県民(住民)税などなど、私たちの生活の中にはさまざまな税金があるのですが、これって何のために使われているのでしょう?

国民の「健康で豊かな生活」を実現するために国や地方公共団体が行う活動の財源となるもので、一人では生きていけない私たちのために、社会で生活していくための「会費」とでもいいましょうか。

そんな税金を「滞納」すると、ある一定期間が過ぎると取り扱う役所から「督促」されます。まずは文書で、それでも滞納が続くと・・・。

配属された部署が「納税課第三収納係」の新人公務員・華子と教育係の饗庭さんを通して、日常生活と密接に関係がある割には知られていない「税金」について知ることができます。
でもお役所って・・・聞かないと教えてくれないんですね。 ^^;

払い忘れている、もしくは払いすぎているかもしれない税金についての知識をつけながら、奥の深い人間模様も見ることができる興味深く、テンポも良いお話です。

なぜ華子や饗庭さんは税金の収納係なのか? 
二人の関係はどうなっていくのかなぁ?

思わず目を見張ったプロローグや今後の展開からその謎も解明されていくかと思うと・・・う~ん・・・これはやっぱり母体誌『BE LOVE』も買うべきか・・・・。

この頃、コミック誌を買って続きを読みたくなる作品が増えてきてちょっぴり困ってます。
(主婦の小遣いはあっという間に限界がくるので・・・^^;)

試し読みは → コチラから

 (M)
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# by 75bs | 2016-10-18 12:57 | 【おすすめ/コミック】 | Trackback | Comments(0)
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『あおざくら 防衛大学校物語』1巻 以下続刊予定
二階堂ヒカル・著 / 小学館 少年サンデーコミックス 429円+税
勉強好きの高校生・近藤勇美は食堂を営む実家が再開発で潰れることになり、進学を諦めかけていた。

だが、学費無料どころか給料がもらえる防衛大学校のことを知り、見事合格する。

近藤を待つ世界とは……!?

幹部自衛官を養成する機関・防衛大学校を舞台にした疾風怒濤の青春物語、開幕!!
[出版社Website 作品紹介より]

防衛大学校、聞いたことはあると思います。
(まぁ、どちらかと言うと「任官拒否」がよくとりあげられ、いいイメージではないかもしれませんが。)
自衛隊の幹部自衛官を養成する教育・訓練施設で、学校教育法上、大学に位置づけされていますが、いわゆる士官学校にあたります。

わかっているようで、でもその実はよく知られていない防大の様子を描いたこの作品。
ちょうど先日新刊を紹介した長岡弘樹氏の『教場』という警察学校を舞台にした小説を読んだばかりだったので、ちょっと気になって読んでみました。
編集者さんからのおすすめ情報を言うのも貼らせていただきますね。
全寮制、平日外出不可、ほぼ男子校、地獄の8km遠泳、四学年は神様、連帯責任、飛ぶベッド……そして国防という崇高な使命。

規律正しく日本一厳しい学生生活を送る防大生。
そんな彼らの強烈で濃密な日々を、青春漫画の旗手・二階堂ヒカル先生が熱筆!!

目指すは読み応え真っ直ぐな青春少年漫画!
是非、ご一読を!!!!
[出版社Website 作品紹介より]

読み進めて思わず目を見張ってしまいました。アメとムチをうまく使いこなしていると言うか・・・なかなか厳しそうです。
体育会系の厳しい部活動ですらたぶん比べ物にならないくらい厳粛な学校生活を送ることになるでしょうが「国防」を担う身となるためには、それくらいの厳しさも要るのかもしれません。

自衛官になるためと言うより、大好きな勉強ができる環境を探し出して入学した近藤勇美くん、なかなか男気のある子だと見受けましたが、この先どんなふうに仲間たちと学び・成長していくのか。
普段垣間見ることのない防大に触れるのも、漫画なので読みやすく、ちょっと楽しみです。

現在、週刊少年サンデーで連載中です。(どうしよ、サンデー買って読んじゃおうかなあ。^^;)

 (M)
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# by 75bs | 2016-10-13 12:56 | 【おすすめ/コミック】 | Trackback | Comments(0)

『まことの華姫』

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『まことの華姫』
畠中 恵・著 / KADOKAWA 1400円+税
江戸両国の見世物小屋では、人形遣いの月草が操る姫様人形、お華が評判に。というのも、“まことの華姫”は真実を語るともっぱらの噂なのだ。快刀乱麻のたくみな謎解きで、江戸市井の悲喜こもごもを描き出す傑作!
[出版社Website 作品紹介より]

『しゃばけ』シリーズをはじめ、江戸、明治そして現代を舞台に数々のファンタジー小説を描いていらっしゃる畠中氏の作家生活15周年記念作品となるのがこの物語です。
妖怪もの好きにはたまらない畠中氏の作品の数々。久々に手に取ってみると、なるほどやっぱり心を打つ読みごたえありの物語でした。
人形遣いが話しているのか、姫様人形・お華自身が語っているのか、華姫の語りは本当に真実なのか。
謎解きの真相は、是非皆さまの目でお確かめくださいませ♪
そして江戸の生活を垣間見てください。

 (M)
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# by 75bs | 2016-10-12 11:37 | 【おすすめ/小説等】 | Trackback | Comments(1)

『白衣の嘘』

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『白衣の嘘』
長岡弘樹・著 / KADOKAWA 1400円+税
あの先生、嘘をついているかもしれない――。主治医と患者、研修医と指導医……そこには悲哀にみちた人間ドラマがある。予想外の謎を駆使して人間の本性を鮮やかにあぶり出した、傑作ミステリ集。
[出版社Website 作品紹介より]

『傍聞き』『教場』など、ヒトの心の葛藤・情景を見事に描き出しつつ巧みな謎解きを組み込み、胸を突かれ深く沁みこむ数々の作品を創り出してきた長岡氏の集大成ともいえる短編集がコチラです。
(帯にも記載されているので集大成と書いてしまいましたが、まだまだこれからも素敵な作品を楽しみにしております。)

などと偉そうに書いてしまいましたが、実は私事で読書ができない時期と重なり、評判を聞いて読んでみたいと思いつつも未読だったため、今作が初めて読む長岡作品でした。

ミステリー作品の場合、読んでいる途中に不安を感じるとついつい結末を先に読んで落ち着いてから、戻って読みだすという悪癖もちの私ですが、こちらの作品は伏線のそれと気づかせない緻密な流れで構成されていて、とても自然な文章で進められているので、素直に順を追って読むことができてたうてに見事にハマりってしまい「やっぱ既刊作品も読まなくちゃ!」と、三日ほどかかりましたが他の作品も拝読しました。どの作品も読みやすいけれども奥が深いもので、すっかり感服し長岡ワールドにドップリと浸らせていただきました。

具合が悪くなってお世話になる病院・医師へは、信頼こそすれ、ついつい疑うことを忘れがちですが本当にそれでいいのでしょうか? 医者もヒトですもの、聖人君主なばかりではいられず葛藤もあるでしょう。実際に事件もいろいろありますしね・・・。

病は気からともいうように、調子が悪いと考えからもマイナス思考に陥ることがしばしばありますし。

人というものは、時として本心を表されなくてうまく動けなくなることもあります。

まれに居るかもしれませんが、悪事を働いた人でも「そのヒトの全てが悪」ということはないのでは・・・。

それぞれの物語の結末は、それこそ本当にグッと胸を突かれ心に残りました。
病院で起こる人間模様が、長岡マジックで見事に描かれています。

本当に上手く読ませてくださる作家さんだと思っています。
予想外の話の落としどころが・・・上手すぎます。

是非、白衣に隠された嘘を見抜いてみてください。



 (M)
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# by 75bs | 2016-10-10 21:48 | 【おすすめ/小説等】 | Trackback | Comments(0)

『きみとおはなし』

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まき田作品集『きみとおはなし - ありきたりで特別な言葉 - 』
まき田・著 / KADOKAWA 880円+税
カップル、片想い、遠距離恋愛、夫婦。大切な人と交わす特別な言葉を、柔らかなタッチのイラストとともに描く。Web公開された物語を単行本化にあたり全て描き下ろしし、新エピソードも加えたイラストエッセイ集。
[出版社Website作品紹介より]

家人から、「とっても可愛いいのがアップされてる!」と教えてもらったのが、まき田氏のツィッターアカウントでした。(@makita_l4)

身近な人との「言葉」のやりとりの大切さ、人を思いやるということ、心の通わせかたが、
可愛らしくて気持ちがほんわかホッコリ温かくなるような画と、まっすぐでさりげない文章で表されています。
(2014年に完結した『小さな恋のものがたり』[みつはしちかく氏・著]も思わず頭に浮かびました。)

一息つきたいときに読んでみると肩の力を抜くこともできるかも。
夜寝る前に読むのもいいかもしれません。

 (M)
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# by 75bs | 2016-10-04 12:02 | 【おすすめ/コミック】 | Trackback | Comments(0)

『桜風堂ものがたり』

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『桜風堂ものがたり』
村山早紀・著 / PHP研究所 1600円+税
百貨店内の書店、銀河堂書店に勤める物静かな青年、月原一整は、人づきあいが苦手なものの、埋もれていた名作を見つけ出して光を当てるケースが多く、店長から「宝探しの月原」と呼ばれ、信頼されていた。しかしある日、店内で起こった万引き事件が思わぬ顛末をたどり、その責任をとって一整は店を辞めざるを得なくなる。傷心を抱えて旅に出た一整は、以前よりネット上で親しくしていた、桜風堂という書店を営む老人を訪ねるために、桜野町を訪ねる。そこで思いがけない出会いが一整を待ち受けていた……。

 一整が見つけた「宝もの」のような一冊を巡り、彼の友人が、元同僚たちが、作家が、そして出版社営業が、一緒になってある奇跡を巻き起こす。『コンビニたそがれ堂』シリーズをはじめ、『花咲家の人々』『竜宮ホテル』『かなりや荘浪漫』など、数々のシリーズをヒットさせている著者による、「地方の書店」の奮闘を描く、感動の物語。
[出版社Website 作品紹介より]

児童書から一般書まで幅広く手掛けていらっしゃるさきたん先生の作品を、もしかしたら何か一つは読んでいらっしゃるのではないでしょうか?

こちらの作品は本屋・書店員が要となるお話とあって、いつも以上に興味深く拝読してしまいました。
本に携わる人と仕事が見事に描写されていて、「本屋」への深い想いと愛情を受け取りました。
(違和感ないその描写、特に万引きに関するくだりは本当に身につまされて・・・。)
そして、なんだか知ってる本屋さんも影が見え隠れもしたり。

作家さんが紡ぎだす「言葉」の深さ・重みには、今までも漠然と「敵わないなぁ」と思ってきたのですが、なぜそう感じていたのかがこの物語のおかげで腑に落ちた気がします。
残しておきたい言葉や、伝えたい思いを世界こに物宛て、恋文を書くように綴っていらっしゃるのですもの、一筋縄じゃ敵いませんよね。

そんな作家さんたちのお気持ちを汲み取り、少しでも多くの人たちに届けるため尽力できる仕事に就くことができた自分は本当に幸せだなあと読んで改めて思いました。

 物語の要所要所には児童書・絵本の数々が散りばめられているのですが、その作品は本好きな方だけではなく、ほとんどの人が一度は味わったことがあるお話で、きっとワクワクしながら読み聞かせてもらったり、自ら本のページをめくっていた幼い日へと想いが戻って「あの絵本、また読み返してみようかな」などと思えるかもしれません。

個性あふれる登場人物(人だけではありませんが)は、それぞれが謎解きのカギであり、人の「縁」と言うものを感じさせてくれる存在として見事に当てはまっていて、思わず感嘆しました。

ついつい本屋目線の感想が続いてしまい恐縮ですが、この物語で紡がれている言葉は、子どもにもわかりやすく、大人の心にも「命を生きること」がしっかりと心に響くと思います。


10月16日(日)には長崎のメトロ書店本店さんにて、さきたんのサイン会が開催されるそうです。

サイン会の詳細は出版社のWebsiteをご覧くださいませ。 → コチラから入れます。

 (M)

SNSでお話させていただくこともあり、「さきたん」と呼びかけているので、本文中もその呼称を使わせていただきました。 
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# by 75bs | 2016-09-29 12:46 | 【おすすめ/小説等】 | Trackback | Comments(0)

『紺田照の合法レシピ』

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『紺田照の合法レシピ』2巻既刊 以下続刊予定
馬田イスケ・著 / 講談社 KCデラックス 各600円+税
 暴力団「霜降肉組」の新人組員・紺田 照(こんだ てる)、高校3年生。彼が任侠道のほかに心血を注ぐのは「お料理」! 切った張ったの世界で生きながら、硝煙にふとサバの塩焼きを思ってしまう…そんな紺田の今日の晩ご飯は!?
[出版社Website 1巻作品紹介より]

切れ長の三白眼で立っているだけでも威圧感溢れる存在で、どこからどう見ても任侠道の若者にしか見えない紺田くん(18歳)。
そんな彼の頭の中は(ヤバイ)お仕事中でも料理のことばかり♡

もちろん一番惹きつけられるのは、やはり毎回のレシピ。
自分でも試してみれそうな実用的献立の数々です。

けれど、確かに超合法レシピなはずなのに、なぜだか心がドキドキと。
まるでアブナイことに手を出してしまうかのように・・・。

登場するお仲間たちと紺田くんの会話も、考えてることは180度程も違うのになぜだか話が繋がってしまうので、読んでいて思わず笑いもこみあげてきます。

まだ蒸し暑い日が続いてますが、そろそろ秋の気配も感じられますね。
秋と言えば、食欲やら読書などにも喩えられますが、それらを一度に堪能できる一冊です。

作品紹介・試し読みは → コチラ

 (M)
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# by 75bs | 2016-09-28 11:51 | 【おすすめ/コミック】 | Trackback | Comments(0)

『望み』

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『望み』
雫井脩介・著 / KADOKAWA 1600円+税
平穏だった家族が少年事件によって崩れていくさまを描く心理サスペンス。
建築家の石川一登は、妻と思春期の兄妹の家族四人で平凡な暮らしを営んでいた。ある日、高校生の息子・規士の友人が殺された。事件後も帰宅しない息子の潔白を信じたいが――。家族の「望み」とは何かを真摯に問う。
『火の粉』の不穏さと『クローズド・ノート』の濃密な心理描写。両方兼ね備え、執筆時、作者が最も苦しみ抜いた、渾身の力作。
[出版社Website作品紹介より]

見本を拝読中にも現実の少年事件が報じられたり、作中の子どもたちとさほど変わらない年代の子を持つ身として、作者さまほどではないでしょうが身につまされ、思わず息ができなくなりそうなほどの苦しさをも覚えました。

ですが、きっとこれから何度も読み返してしまうでしょう。
読み返したところで「これだ」という確固たる答えを見いだせないかもしれません。

親は、子どもの健やかな成長をただただ願っているもので・・・。
加害者にも被害者にもなってほしいだなんて思いもしてません。
きっとほとんどの親御さんがそうでしょう。

私事ですが、子どもの帰りが遅くなると、顔を見るまでは(帰宅してドアが開く気配を感じるまでは)どうしようもなく落ち着かない気持ちに襲われることもあります。

規士くんは友人を手にかけてしまったのか、真相は・・・。

事件の当事者となり、何もかも失ったあと、命さえあれば、新しい出会いや生きがいを、本当に得られるものだろうか・・・。

「望みのない望み」を、自分だったらどのような形を望むでしょう。
結末をお読みになって、皆さまならどお思いになられるでしょうか?

自分が読んだ今年発売の小説の中で、一番心に留まっています。

小説やコミックを読んで映像化することまでほとんと考えないのですが(映像化に対して苦言が出ることのほうが多いですね。^^;)、この物語は連続ドラマか映画で見てみたいと思いました。 


特設サイトは → コチラ

 (M)
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# by 75bs | 2016-09-05 11:55 | 【おすすめ/小説等】 | Trackback | Comments(0)
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『猫には推理がよく似合う』
深木章子・著 / KADOKAWA 1600円+税
とある弁護士事務所の事務員・花織はある日、“しゃべる事務所猫”スコティに推理合戦を仕掛けられる。「ねぇねぇ、もし金庫の中身が盗まれたら、犯人は誰だと思う?」。妄想を膨らますうち、なぜか事件は現実に!? 猫×本格ミステリ!
[出版社Website作品紹介より]

とにかくすごい! すっかりやられてしまいましたよ、見事などんでん返しに。
あれもころもそれも、全部巧みに張り巡らされた伏線で。

・・・まさかの真犯人でした。

うっかり書き連ねると、ただただネタバレになってしまうのでこれ以上は止めておきますが、猫好きな方はもちろん、そうでないかたも本格ミステリーを十分ご堪能していただける作品です。

猫は好きなんですが諸事情で一緒に住んだことはないので、習性などの細かい部分について何も申し上げられなくて恐縮ですが、溢れ出る猫愛がとてもよくわかる物語でもあります。


 (M)
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# by 75bs | 2016-09-02 11:58 | 【おすすめ/小説等】 | Trackback | Comments(0)

『E高生の奇妙の日常』

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『E高生の奇妙の日常』
田丸雅智・著 / 角川春樹事務所 1300円+税
数学嫌いの生徒にだけ発症する、花粉症に似た病とは――「数学アレルギー」。やる気がみなぎり、全身から火を噴き出す友人がいる――「燃える男」。伝説の名勝負が生まれる運動会の名物種目――「櫓を組む」。二人が付き合うきっかけになった出来事とは――「二人の自転車」。学年1位の学力をもつ友人の秘密とは――「友人Iの勉強法」。ほか、毎日不思議な出来事がおこる「E高」に通う高校生の、めいっぱい溢れ出す青春を描いた、珠玉のショートショート18編!
[出版社Website 作品紹介より]

田丸さん、このところ次々と新作が発売されて、ファンとしては嬉しい限りですいます。 ^^
(今月6日には、『家族スクランブル』が小学館文庫となって発売されますし。)

高校生。
社会に出る助走をしつつ学び、子供らしく遊ぶ。なんだか不安定だけれど、溌剌としていて不思議で、爽やかでおバカで脅威的で、とても生命力に満ち溢れた時期ですよね。
そんな高校生の一風変わった日常が繰り広げられているのが、こちらの作品の舞台「E高校」です。

18編それぞれのテーマは、きっと高校生活のさまざま場面から切り取られているのでしょう。
怖いもの知らずの無鉄砲さ。その中に潜む小気味の悪さ。
振り返ると見える「郷愁」「もの懐かしさ」「懐古」「懐旧」

そして何より「えっ?そう来るか!」とくすっと笑わせてもらえたり、ギクッとさせられるそれぞれの結末。
田丸さんの創造力の幅広さに今回も感服しました。

自分の高校生活ってどんな毎日だったかな?と振り返りつつ思ったのは、もしかしてここは母校にも当てはまるのではないかという不思議な感覚。
E高校は、あの世代の本質なのかもしれません。

当店には明日(2日)入荷予定です。

 (M)
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# by 75bs | 2016-09-01 12:59 |   著者別/田丸雅智 | Trackback | Comments(0)

『明日の食卓』

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『明日の食卓』
椰月美智子・著 / KADOKAWA 1600円+税

静岡在住・専業主婦の石橋あすみ36歳、夫・太一は東京に勤務するサラリーマン、息子・優8歳。
神奈川県在住・フリーライターの石橋留美子43歳、夫・豊はフリーカメラマン、息子・悠宇8歳。
大阪在住・シングルマザーの石橋加奈30歳、離婚してアルバイトを掛け持ちする毎日、息子・勇8歳。
それぞれが息子のユウを育てながら忙しい日々を送っていた。
辛いことも多いけど、幸せな家庭のはずだった……。
しかし、些細なことがきっかけで徐々にその生活が崩れていく。
無意識に子どもに向いてしまう苛立ちと怒り。果たして3つの石橋家の行き着く果ては……。
[出版社Website作品紹介より]

スーパーや地下鉄など公共の場で、走り回っていたり、大声で泣いていたりする子どもに対応している保護者の方を、皆さんは傍らでどんな思いでごらんになるでしょうか。

あまりにも目に余る雰囲気に、うるさいなあ、ちゃんと躾けてよ、あんなに怒鳴らなくてもいいのに・・・などとお感じになることも、正直多々あると思います。

身近に子どもがいないころには私自身上記のように思ったこともありますし、幼子を育てている真っ最中は、泣き止ませられなかったり大声で叱ったりしているときなど肩身の狭い思いも・・・。

せっかくの授かりものとはいえ、子育ては本当に十人十色で、マニュアルどおり、思いどおりには全くはいきません。行き場のない不安や焦りから孤独を感じることも多々あります。 もちろん幸せなことだってた~くさんありますが。

この作品に出てくる母親たちに、少し前の自分を見る思いがしました。

未熟ながらも「個」として生きている子どもたちとの関わり合い方を、身内としてや少しの縁で携わる年長者として、さまざまな立場から考えていただくきっかけになる一冊です。

そして、今も日々葛藤しながら子育て真っ最中の「おかあさん」たちの、心の支えになりますようにと思います。

当店には明日(8月31日)に入荷予定です。

本書特設サイトは → コチラ
(僭越ながら、推薦コメントを掲載していただきました。)

 (M)
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# by 75bs | 2016-08-30 12:33 | 【おすすめ/小説等】 | Trackback | Comments(0)

平日午前中勤務のMです。     おすすめ本・『晴読雨読』   フェア情報などをお届けしています。


by 75bs